2020年 過ぎ去った夏 大阪市北区

メリハリのあるイベントも宙吊りにされたまま時間は過ぎ去っていき、今度はGOTOトラベルだGOTOイートだと急かされる気分になる。

気が付けば冬物の服をクローゼットで引っ掻き回す。充実していないのに疲労感があるっていうのは何だかなァ。そんな休日でも写真を眺めるのは、やっぱり好きなこと。

 

知っていたはずだったのに、しっかり見ていなかった写真群、その再発見は驚きでした。桑原甲子雄『東京昭和十一年』。今、世の中を席巻しているアニメ鬼滅の刃の舞台は大正時代ですが、昭和11年も充分に遠い時空です。1936年といえば80年を超える時間の隔たりがあります。驚きなのは、そこで切りとられている森永キャンデーストアでの1コマや有楽町邦画座を望む1コマのモダンなこと…。戦前だなんて遥か遠く厚い断絶があるという印象を抱いていたのですが、現代と通底する時空と考えるべきとその写真たちは訴えかけてくるかのようです。

 

確かに、所有しているスーパーセミイコンタは75mmではなくて70mmのTessarが付いているので1937年より以前に製造されたはずですが、当然のように撮影可能です。COMPARのシャッターは1/500秒までありますし、ドレーカイル式距離計はピントもバッチリ合わせられます。当時のカメラ製造にかける意気込みに心を打たれます。

 

photo.back2basic2025.com

(ドメインを変更したら、以前付けて頂いた⭐️ が全て消えてしまいました。皆さん、ゴメンナサイ😞)

古(いにしえ)からのものと真新しいものが共存しつつ、良いものが残っていくならいいですね。

 

真新しさとは逆にレトロな建物がいい感じだなと思って撮った夏の日。日傘をさす程の天候の下、人々がマスクを外していないのが、2020年の徴表と言えるでしょう。けれど、コロナが終息しないならば、これが2020年代のごく普通の光景として定着していくのかも知れません。

例えば、2024年にこれを見直してみると浮かんでくる感想はどんなものになるのか?

その点は、タイムカプセルのようで興味深いです。

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Rollei RETRO 400S , Carl Zeiss Planar 50mm