The end of the world , コダクローム愛

『監察医朝顔』の上野樹里ではなく、『のだめカンタービレ』の上野樹里ではなく、『虹の女神 Rainbow Song』の上野樹里こそが素晴らしい! と、あるフィルム好きは思う。

青春ドラマとしても爽やかだし、大切な人の死という重い問題を考えさせるのも感動的だし、フィルムへの愛が全編を貫かれているのも最高だと思う。

連休の寛ぎとしてDVDを見ての感想です。

コダックの色がねぇ…赤、緑、青…」上野樹里市原隼人に語りかける。コダクロームが好きなものとしては、その通りだと思う。映画は2006年に公開された作品であり、当時はコダクロームの現像は可能だった。もちろん、この作品のコダクロームは8mm映画用。カメラ用の35mmコダクロームは世界的には2010年12月末まで現像可能だった。

現像料金1本3000円代という驚きの価格が提示されたのは日本国内でのコダクローム現像が終了した後のこと、海外に送って現像してもらうためこの料金になるのだという。それならばと現像所を調べてみるとアメリカのDwayne's Photoが世界最後の現像所になっていた。カンザスは遠い。しかし、郵送での現像はwelcomeで1本10ドル足らず、送料も確か10ドルちょっとだったと思う。当時は20本撮影したら郵便局のEMSで送って現像してもらっていた。コダクロームの紙マウントには現像の年月が刻印されるのだが2010年12月に出したものには、JAN11の文字がある。2011年1月。あれから9年が経過している。

コダクロームの長期保存性は歴史が証明していて1960年代のマウントのものでもほとんど褪色していない。60年間、そこにあればその当時その被写体を包んでいた光を見るものに届けてくれること。デジタル画像として残そうとすればどれだけハードディスクを買い替えなければならないのだろう、ハードディスクは消耗品だ。クラウドサービスで60年、会社がそのまま存続し続けることを期待できるのだろうか?

フィルム人気の復活が呼び声となってかコダックはエクタクロームを限定ながら復活させた。コダクロームについても検討するとされている。内式のリバーサルならフジにも素晴らしいベルビア、プロビアがある。コダックは外式のコダクロームこそを復活させるべきだろう。

1935年に始まった世界最初のカラーフィルムがコダクロームだ。それは最後のカラーフィルムを目指すべきだったろう。その夢は2010年に潰えてしまった。コダクロームという言葉を流通させることでその復活の動きを進めたいと思います。

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Kodak KR64 Ai Nikkor 50mm